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ユーロ円為替のリスクヘッジ(VIX指数CFDを利用)
ユーロの特徴
ユーロは、米ドルの次に世界で取り引きされる通貨で、第2の基軸通貨として存在感を高めています。また、EU加盟28カ国のうち、17か国がユーロを導入しています。
ユーロも米ドルと同様、デフォルトリスクの可能性が低い通貨で、安心して取引することができます。
米ドルと、私たち日本の通貨「円」を組み合わせた、ユーロ円の為替レートは、世界の景気と連動しています。
世界が好景気の時は円安になり、世界経済が不透明な状況では、円高になる傾向にあります。
ユーロ円為替 過去10年のチャート
ユーロ円の過去10年のチャートを見ることで、どんな値動きをしてきたか調べてみました。
ユーロ円の過去10年のチャートを見てみると年単位で円安あるいは円高が進むことはありますが、10年間ずっと円安あるいは円高に動くことはありません。
また、ユーロ円が円高になった時は、2008年10月に起こったリーマンショック、2015年6月のギリシャデフォルト危機、2015年8月の中国発世界同時株安など、やはり世界景気に不透明感が出てきたころに重なります。
また、過去10年では、ユーロ円の為替相場は1ドル=100円~170円の間を推移していますが、2016年11月現在のユーロ円の為替相場は、1ドル=119円前後で、若干の円高水準にあります。
ユーロ円とVIX指数の相関
次に、ユーロ円の過去10年のチャートに、VIX指数を追加したチャートを見てみます。
予想通り、ユーロ円が円高になる時期は、VIX指数の上昇と重なっています。
2008年8月、2008年10月、2010年4月、2015年6月、2015年8月、2016年1月など、ユーロ円が急激な円高になっている時期は、VIX指数が大きく上がっています。
VIX指数は、ユーロ円を「買い」から入った時のリスクヘッジとして十分に役立ちそうです。
VIX指数を利用したユーロ円のリスクヘッジ方法
VIX指数は、平常時10~20の範囲で推移しています。
そのため、VIX指数の売買ルールは、VIX指数が19.5(平常時)のときに指値で購入し、24.5(見通し不透明時)になったら指値で売却します。
ただし、19.5で購入後、VIX指数が15.5や13.0まで下がったら、追加購入(ナンピン)し、19.5になったら、それまで購入したVIX指数を全て売却します。
VIX指数を利用したユーロ円のリスクヘッジ検証結果
では、先ほど決めたVIX指数の売買ルールでトレードした場合、どのような損益になるか検証してみました。
トレード条件
売買単位:VIX指数×100
例)VIX指数19.5の場合、19.5×100=1950ドル分(約20万円)のVIX指数を購入することになります。
年 | VIX指数の 売買回数 |
VIX指数の 売買損益 (カッコ内は 日本円換算) |
ユーロ円の値動きと損益※ | 合計損益 |
2008年 | 3回 | +1500ドル (+16万7685円) |
163.23円→126.79円の円高相場 損益:-36万4400円 |
-19万6715円 |
2009年 | 0回 | - | 127.21円→133.27円の円安相場 損益:+6万600円 |
+6万600円 |
2010年 | 1回 | +500ドル (+4万6485円) |
132.99円→108.62円の円高相場 損益:-24万3700円 |
-19万7215円 |
2011年 | 2回 | +1000ドル (+8万7717円) |
108.38円→99.59円の円高相場 損益:-8万7900円 |
-183円 |
2012年 | 1回 | +500ドル (+3万8440円) |
99.46円→114.43円の円安相場 損益:+14万9700円 |
+18万8140円 |
2013年 | 5回 | +1450ドル (+12万5686円) |
114.45円→144.63円の円安相場 損益:+30万8800円 |
+43万4486円 |
2014年 | 8回 | +2350ドル (+24万7314円) |
144.70円→144.73円のレンジ相場 損益:+300円 |
+24万7614円 |
2015年 | 6回 | +1800ドル (+21万5298円) |
144.79円→130.31円の円高相場 損益:-14万4800円 |
+7万498円 |
2016年 | 4回 | +1400ドル (+16万8294円) |
130.72円→119.75円の円高相場 損益:-10万9700円 |
+5万8594円 |
合計 | 30回 | +10500ドル (+109万6919円) |
損益:-43万1100円 | +66万5819円 |
※ユーロ円の損益は、1万米ドルを1年間保有した場合の損益です
2016年は11月28日時点のデータです。
詳細な売買履歴はこちらをご覧ください↓
VIX指数を利用したユーロ円のリスクヘッジ売買履歴
ユーロ円のVIX指数リスクヘッジ メリット・デメリット
メリット
・ユーロ円の円高相場では、リスクヘッジとして機能
・ユーロ円の円安相場でも、3回中2回でプラス運用
・VIX指数は指値で売買するため、取引画面をずっと見る必要がない
デメリット
・売買回数は少なめ(2009年のようにVIX指数を売買できない年もある)
結論
2008年~2015年の8年間で、ユーロ円は円高相場が2008年、2010年、2011年、2015年、2016年の5回ありました。そのいずれの年でも、VIX指数のトレードでユーロ円の損失をリスクヘッジできています。
その他の年でも、トレードがなかった2009年以外は全てプラス運用で、資産を減らすことはありませんでした。
VIX指数のトレードは、ユーロ円のリスクヘッジに利用可能であると分かりました。
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