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著者:VIXパンダ 更新日:2021年10月12日
米ドル円為替のリスクヘッジ(VIX指数CFDを利用)
この記事の目次- 米ドルの特徴
- 米ドル円為替 過去10年のチャート
- 米ドルのリスクヘッジ対象商品
- 現金でのリスクヘッジを検証
- 金でのリスクヘッジを検証
- オプション・先物でのリスクヘッジを検証
- VIX指数CFDでのリスクヘッジを検証
- VIX指数を利用したリスクヘッジのメリット・デメリット
- 結論
米ドルの特徴
米ドルは、世界で最も取り引きされる基軸通貨で、「アメリカドル」や「USドル」とも呼ばれ、世界最大の経済大国であるアメリカ合衆国(米国)が発行する通貨をいいます。
通貨への投資で最も怖いのが、その通貨が紙切れになってしまうデフォルトリスクですが、米ドルは外国為替取引の中心として取引されるため、デフォルトリスクの可能性が一番低い通貨で、安心して取引することができます。
米ドルと、私たち日本の通貨「円」を組み合わせた、米ドル円の為替レートは、世界の景気と連動しています。
世界が好景気の時は円安になり、世界経済が不透明な状況では、円高になる傾向にあります。
米ドル円為替 過去10年のチャート
米ドル円の過去10年のチャートを見ることで、どんな値動きをしてきたか調べてみました。
米ドル円の過去10年のチャートを見てみると年単位で円安あるいは円高が進むことはありますが、10年間ずっと円安あるいは円高に動くことはありません。
また、米ドル円が円高になった時は、2008年10月に起こったリーマンショック、2011年8月のアメリカ国債格下げ、2015年8月の中国発世界同時株安など、やはり世界景気に不透明感が出てきたころに重なります。
また、過去10年では、為替相場は1ドル=80円~120円の間を推移していますが、2021年10月の米ドル円為替相場は、1ドル=113円前後で、多少円安傾向にあります。
米ドルのリスクヘッジ対象商品
米ドル下げ相場のリスクヘッジとして、以下の商品を検証しました。
- 現金
- 金
- オプション・先物
- VIX指数CFD
現金でのリスクヘッジを検証
米ドルの他に現金(日本円)を保有していれば、米ドルが暴落しても現金の価値は下がりません。
また、米ドル暴落時、米ドルと比較して現金の価値が上がったという見方もできます。
ただし、実際に現金の価値がプラスになるわけではなく、米ドル暴落のマイナスを埋めることはできません。
米ドルのマイナスを埋めることができない現金は、個人的にリスクヘッジとしてはどうかなと思います。
金でのリスクヘッジを検証
昔から「有事の金」とも言われるように、危機が生じた際にはリスクを回避するため、資金が流入する傾向があると認識されています。
では、米ドルが下落すると、金は本当に上昇するのか調べました。
下の表は、米ドルと金のチャートです。
2016年以降、金は右肩上がりで上昇していますが、米ドル円は上がったり下がったりです。より詳しく調べるために、年別の騰落率(リターン)を比較しました。
米ドル円 | 金 | |
2016年 | -2.4% | +6.3% |
2017年 | -4.0% | +13.7% |
2018年 | +0.8% | -2.7% |
2019年 | -3.6% | +18.5% |
2020年 | -4.7% | +26.5% |
米ドル円がマイナスの時、金はプラスですが、米ドル円がプラスの時は金がマイナスです
。
つまり、米ドル円のプラスを金のマイナスで相殺してしまいます。
オプション・先物でのリスクヘッジを検証
米ドル円のオプションは、将来において、米ドル円をあらかじめ定められた価格で「買うことができる権利」または「売ることができる権利」です。
一見リスクヘッジに利用できそうですが、オプション・先物に共通するデメリットとして、取引期限がある上に
- 権利購入にお金がかかる(オプション)
- 保有中に金利手数料を取られる(先物)
- といった、デメリットがあります。
つまり、リスクヘッジのために、継続してお金を払い続ける必要があります。
このような商品はピンポイントで利用しなければならず、相場を読めない限り、利用するのが難しいです。
VIX指数CFDでのリスクヘッジを検証
次に、米ドル円の過去10年のチャートに、VIX指数を追加したチャートを見てみます。
チャートではちょっとわかりづらいですね。
次に、実際にVIX指数を米ドル円のリスクヘッジに活用した場合を検証します。
VIX指数のリスクヘッジ活用法
VIX指数は、平常時10~20の範囲で推移しています。
そのため、VIX指数の売買ルールは、VIX指数が19.5(平常時)のときに指値で購入し、24.5(見通し不透明時)になったら指値で売却します。
ただし、19.5で購入後、VIX指数が15.5や13.0まで下がったら、追加購入(ナンピン)し、19.5になったら、それまで購入したVIX指数を全て売却します。
では、先ほど決めたVIX指数の売買ルールでトレードした場合、どのような損益になるか検証してみました。
トレード条件
売買単位:VIX指数×100
例)VIX指数19.5の場合、19.5×100=1950ドル分(約20万円)のVIX指数を購入することになります。
年 | VIX指数の 売買回数 |
VIX指数の 売買損益 (カッコ内は 日本円換算) |
米ドル円の値動きと損益※ | 合計損益 |
2008年 | 3回 | +1500ドル (+16万7685円) |
111.79円→90.91円の円高相場 損益:-20万8800円 |
-4万1115円 |
2009年 | 0回 | - | 90.84円→93.04円の円安相場 損益:+2万2000円 |
+2万2000円 |
2010年 | 1回 | +500ドル (+4万6485円) |
92.97円→81.12円の円高相場 損益:-11万8500円 |
-7万2015円 |
2011年 | 2回 | +1000ドル (+8万7717円) |
81.17円→76.94円の円高相場 損益:-4万2300円 |
+4万5417円 |
2012年 | 1回 | +500ドル (+3万8440円) |
76.88円→86.73円の円安相場 損益:+9万8500円 |
+13万6940円 |
2013年 | 5回 | +1450ドル (+12万5686円) |
86.68円→105.26円の円安相場 損益:+18万5800円 |
+31万1486円 |
2014年 | 8回 | +2350ドル (+24万7314円) |
105.24円→119.66円の円安相場 損益:+14万4200円 |
+39万1514円 |
2015年 | 6回 | +1800ドル (+21万5298円) |
119.61円→120.14円のレンジ相場 損益:+5300円 |
+22万598円 |
2016年 | 4回 | +1400ドル (+16万8294円) |
120.21円→116.89円の円高相場 損益:-3万3200円 |
+13万5094円 |
2017年 | 0回 | - | 117.48円→112.68円の円高相場 損益:-4万8000円 |
-4万8000円 |
2018年 | 0回 | - | 117.48円→112.68円の円高相場 損益:-4万8000円 |
-4万8000円 |
2019年 | 0回 | - | 117.48円→112.68円の円高相場 損益:-4万8000円 |
-4万8000円 |
2020年 | 0回 | - | 117.48円→112.68円の円高相場 損益:-4万8000円 |
-4万8000円 |
合計 | 30回 | +10500ドル (+109万6919円) |
損益:+5000円 | +110万1919円 |
米ドル円売買損益※ (リスクヘッジなし) |
VIX指数売買損益 (日本円換算) |
米ドル円※+VIX指数 売買損益 (リスクヘッジあり) |
|
2011年 | -4万2300円 | +1000ドル (+8万7717円) |
+4万5417円 プラスに転じる |
2012年 | +9万8500円 | +500ドル (+3万8440円) |
+13万6940円 |
2013年 | +18万5800円 | +1450ドル (+12万5686円) |
+31万1486円 |
2014年 | +14万4200円 | +2350ドル (+24万7314円) |
+39万1514円 |
2015年 | +5300円 | +1800ドル (+21万5298円) |
+22万598円 |
2016年 | -3万3200円 | +1400ドル (+16万8294円) |
+13万5094円 プラスに転じる |
2017年 | -4万8000円 | - | -4万8000円 |
2018年 | -3万900円 | +2400ドル (+26万5488円) |
+23万4588円 プラスに転じる |
2019年 | -9500円 | +800ドル (+8万7840円) |
+7万8340円 プラスに転じる |
2020年 | -5万3700円 | +1000ドル (+11万700円) |
+5万7000円 プラスに転じる |
米ドル円売買損益 (リスクヘッジなし) |
VIX指数売買損益 (日本円換算) |
米ドル円+VIX指数 売買損益 (リスクヘッジあり) |
※米ドル円の損益は、1万米ドルを1年間保有した場合の損益です。また、スワップポイントは考慮していません。
米ドル円がマイナスになった年は、2011年、2016年~2020年ですが、VIX指数でリスクヘッジすることで、2017年以外の年は全てプラスに転じています。
詳細な売買履歴はこちらをご覧ください↓
VIX指数を利用した米ドル円のリスクヘッジ売買履歴
VIX指数を利用したリスクヘッジのメリット・デメリット
メリット
- 米ドル円の円高相場では、リスクヘッジとして機能
- 米ドル円の円安相場でも、プラスリターンになる可能性がある
- VIX指数は指値で売買するため、取引画面をずっと見る必要がない
デメリット
- 売買回数は少なめ(2017年のようにVIX指数を売買できない年もある)
結論
2011年~2020年の10年間で、米ドル円は円高相場が6回ありました。そのうち5回はVIX指数のトレードで米ドル円の損失をリスクヘッジできています。
VIX指数のトレードは、米ドル円のリスクヘッジに利用可能であると分かりました。
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