金ベア2倍ETF(米国ティッカーコードDUST)に投資したら利益を出せるか検証しました

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更新日:2020年5月12日 著者:VIXパンダ

金ベア2倍ETFに投資したら利益を出せる?

GMOクリック証券CFDでは、金スポット関連商品に「金ベア2倍ETF」というものがあります。

この記事は、私の経験をもとに
「金ベア2倍ETFに投資したら利益を出せるか知りたい」
方に書いています。

この記事のもくじ
  1. 金ベア2倍ETFとは?
  2. 金ベア2倍ETFの値動きから見た特徴
  3. 金ベア2倍ETFへ投資できる証券会社は?
  4. 金ベア2倍ETFへのベストな投資法
  5. 金ベア2倍ETFへの投資 メリット・デメリット

1.金ベア2倍ETFとは?

金ベア2倍ETF(米国ティッカーコードDUST)のファンド情報には
「Direxion デイリー 金鉱株 ベア2倍 ETF(DIREXION DAILY GOLD MINERS BEAR 2X SHARES)は、NYSE Arcaゴールドマイナーズインデックスの2倍(200%)の逆数のパフォーマンスに連動した投資成果(手数料および経費控除前)をあげることを目指す。」
とあります。

つまり

という特徴があります。
ただし、組み入れ銘柄は下のようになっており、単純に金価格に連動するわけではないようです。

金ベア2倍ETF 組み入れ上位銘柄

ここで「TREASURY INSTRUMENTS」が気になったので調べてみましたが、財務省証券と訳されていました。うーん、はてな?ですね~。


2.金ベア2倍ETFの値動きから見た特徴

金ベア2倍ETFのチャートは下のようになります。

2014年12月~2020年5月 金ベア2倍ETFチャート

2016年1月に金ベア2倍ETFは一時的に50000ドルを超えましたが、それ以降は急激に下がっています。
チャートではわかりづらいので、数値でも紹介します。

2015年~2019年 金ベア2倍ETFの推移
1年間の推移 増減割合
2015年 32512.5→21462.5 -34.0%
2016年 18750.0→1212.25 -93.5%
2017年 1178.50→592.00 -49.8%
2018年 575.75→571.00 -0.8%
2019年 572.50→139.75 -75.6%

平均すると、-50.7%です。
金価格と逆連動しますので、金価格との相関についても調べました。

2015年~2019年 金ベア2倍ETFを金価格と比較
金ベア2倍ETFの推移
(増減割合)
金価格の推移
(増減割合)
2015年 32512.5→21462.5
(-34.0%)
1182.9→1060.1
(-10.4%)
2016年 18750.0→1212.25
(-93.5%)
1062.4→1151.4
(+8.4%)
2017年 1178.50→592.00
(-49.8%)
1150.4→1302.7
(+13.2%)
2018年 575.75→571.00
(-0.8%)
1303.0→1282.1
(-1.6%)
2019年 572.50→139.75
(-75.6%)
1282.1→1517.1
(+18.3%)

金価格と逆連動するため、金価格が上がった年は、金ベア2倍ETFは下落しています。
ところが、金価格が下がった年でも、金ベア2倍ETFは若干下落しています。

金ベア2倍ETFの値動きを年間で見ると、単純に金価格の2倍上がったり下がったりするわけではなさそうです。

金ベア2倍ETFは金価格の下落率よりは上がらず、上昇率以上に下がる

金価格が下落した年は、2015年・2018年です。
それらの年の金価格下落率は、2015年-10.4%、2018年-1.6%です。
一方、金ベア2倍ETFは、2015年-34.0%、2018年-0.8%です。
上昇していますが、金価格の下落率ほどは上がっていません。

また、金価格が上昇した年は、2016年・2017年・2019年です。
各年の金価格上昇率は、2016年+8.4%、2017年+13.2%、2019年+18.3%です。
一方、金ベア2倍ETFは、2016年-93.5%、2017年-49.8%、2019年-75.6%です。
金価格の上昇率の2倍以上、下落しています。

これらのことから、金ベア2倍ETFの値動きの特徴は、とても下落しやすい投資商品であるといえます。


3.金ベア2倍ETFへの投資ができる証券会社は?

ETFなので、どの証券会社でも取り扱いがあると思いきや、残念ながら、日本取引所(東京証券取引所・大阪取引所)では取り扱っていません。

そのため、金ベア2倍ETFへの投資ができるのは、CFD業者に限られます。
その中でも、GMOクリック証券CFDのみ取扱いがあります。

また、取引時間はサマータイムで22:30~翌5:00と、米国市場取引時間にしか取引できません。
(標準時間では23:30~翌6:00)

詳しくはこちらです→GMOクリック証券CFDの公式サイト


4.金ベア2倍ETFへのベストな投資法

売り(ショート)での長期保有がベスト

金ベア2倍ETFの値動きの特徴から、売り(ショート)で長期保有する方法が一番利益を出しやすいと思われます。
ただし、GMOクリック証券CFDで長期保有すると、金利調整額が発生します。

そのため、長期保有損益=レート損益+金利調整額です。
そこで、GMOクリック証券CFDにおける、金ベア2倍ETFの金利調整額を調べました。

金ベア2倍ETFの金利調整額

1日につく金利調整額は、上表のように最小取引単位では1円未満です。

GMOクリック証券CFDに問い合わせたところ、1円未満の金利調整額は、切り捨てされるとのことでしたので、最小取引単位でトレードしたら実質0円です。

その点も考慮して、「レート×1」(最小取引単位)を売り(ショート)で保有した際の、金ベア2倍ETFの投資損益を検証しました。

2015年~2019年 金ベア2倍ETFの長期保有(売り)損益
レート損益 金利調整額 合計損益
2015年 +11050ドル 0円 +11050ドル
2016年 +17535ドル 0円 +17535ドル
2017年 +586.5ドル 0円 +586.5ドル
2018年 +4.75ドル 0円 +4.75ドル
2019年 +432.75ドル 0円 +432.75ドル

この損益がすごいかどうかは、金ベア2倍ETFに対する証拠金の額で決まります。

証拠金はいくらにする?

金ベア2倍ETFを売り(ショート)で保有するため、どのくらいの損失に耐えられるかは、金ベア2倍ETFが過去どのくらいの高値を付けたか確認しなければいけません。

データがある2014年12月~現在で、金ベア2倍ETFの最高値は、2015年8月の50000ドルです。

ただ、2020年5月時点で30ドル台まで下がっているため、50000ドルを証拠金の参考にするのは現実的ではありません。

そこで、過去の最高上昇率を参考にします。
2014年12月以降の、金ベア2倍ETFの過去最高上昇率は2015年5月の13875ドル→2015年8月の50000ドルまで上昇したケースです。

このケースでは、金ベア2倍ETFは3.6倍上昇しました。

用意する証拠金は、安全性を考慮して購入額の5倍としました。
この場合、金ベア2倍ETFが購入額の5倍近くまで上昇してもロスカットされません。

購入額の5倍を証拠金として、金ベア2倍ETFに投資した際のリターンを計算しました。

2015年~2019年 金ベア2倍ETFの長期保有(売り)年間リターン
証拠金 損益 年間リターン
2015年 162562ドル +11050ドル +6.8%
2016年 93750ドル +17535ドル +18.7%
2017年 5892.5ドル +586.5ドル +10.0%
2018年 2878.8ドル +4.75ドル +0.2%
2019年 2862.5ドル +432.75ドル +15.1%

過去5年の年間平均リターンは、+10.1%で合計損益は+29611.75ドルでした。


5.金ベア2倍ETFへの投資 メリット・デメリット

金ベア2倍ETFへの投資を検証しましたが、以下のようなメリット・デメリットがあることが分かりました。

デメリット

メリット


金ベア2倍ETF(売り)長期保有はこんな人におすすめ


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