原油ベア2倍ETF(米国ティッカーコードSCO)に投資したら利益を出せる?

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更新日:2020年4月21日 著者:VIXパンダ

原油ベア2倍ETFに投資したら利益を出せる?

GMOクリック証券CFDでは、原油関連商品に「原油ベア2倍ETF」というものがあります。

この記事は、私の経験をもとに
「原油ベア2倍ETFに投資したら利益を出せるか知りたい」
方に書いています。

この記事のもくじ
  1. 原油ベア2倍ETFとは?
  2. 原油ベア2倍ETFの値動きから見た特徴
  3. 原油ベア2倍ETFへ投資できる証券会社は?
  4. 原油ベア2倍ETFへのベストな投資法
  5. 原油ベア2倍ETFへの投資 メリット・デメリット

1.原油ベア2倍ETFとは?

原油ベア2倍ETF(米国ティッカーコードSCO)のファンド情報には
「プロシェアーズ・ウルトラショート・DJ-UBS原油ETF(←原油ベア2倍ETFの名称)は、ダウ・ジョーンズ-AIG原油サブインデックスの日次運用実績の2倍(200%)の逆数に連動する日次の投資成果を目指す。」
とあります。

つまり

という特徴があります。
ただし、組み入れ銘柄は下のようになっており、単純に原油価格に連動するわけではないようです。

原油ベア2倍ETF 組み入れ上位銘柄

ここで「OTHER ASSETS LESS LIABILITIES」が気になったので調べてみましたが、流動資産と流動負債の差額と訳されていました。


2.原油ベア2倍ETFの値動きから見た特徴

原油ベア2倍ETFのチャートは下のようになります。

2014年12月~2020年4月 原油ベア2倍ETFチャート

2016年1月に原油ベア2倍ETFは一時的に100ドルを超えましたが、それ以降は緩やかに下がっています。
チャートではわかりづらいので、数値でも紹介します。

2015年~2019年 原油ベア2倍ETFの推移
1年間の推移 増減割合
2015年 39.73→50.43 +26.9%
2016年 63.95→31.61 -50.6%
2017年 30.18→24.49 -18.9%
2018年 24.28→29.23 +20.4%
2019年 30.85→14.90 -51.7%

平均すると、-14.8%です。
原油価格と逆連動しますので、原油価格との相関についても調べました。

2015年~2019年 原油ベア2倍ETFを原油価格と比較
原油ベア2倍ETFの推移
(増減割合)
原油価格の推移
(増減割合)
2015年 39.73→50.43
(+26.9%)
53.75→37.10
(-31.0%)
2016年 63.95→31.61
(-50.6%)
37.58→53.87
(+43.3%)
2017年 30.18→24.49
(-18.9%)
54.09→60.01
(+11.1%)
2018年 24.28→29.23
(+20.4%)
60.19→45.81
(-23.9%)
2019年 30.85→14.90
(-51.7%)
45.78→61.19
(+33.7%)

原油価格と逆連動するだけあって、原油価格が下がった年は、原油ベア2倍ETFは上昇し、原油価格が上がった年は、原油ベア2倍ETFは下落しています。

ただし、原油ベア2倍ETFの値動きを年間で見ると、原油価格の2倍上がったり下がったりするわけではなさそうです。

原油ベア2倍ETFは原油価格の下落率よりは上がらず、上昇率以上に下がる

原油価格が下落した年は、2015年・2018年です。
それらの年の原油価格下落率は、2015年-31.0%、2018年-23.9%です。
一方、原油ベア2倍ETFは、2015年+26.9%、2018年+20.4%です。
上昇していますが、原油価格の下落率ほどは上がっていません。

また、原油価格が上昇した年は、2016年・2017年・2019年です。
それらの年の原油価格上昇率は、2016年+43.3%、2017年+11.1%、2019年+33.7%です。
一方、原油ベア2倍ETFは、2016年-50.6%、2017年-18.9%、2019年-51.7%です。
原油価格の上昇率以上に下落しています。

これらのことから、原油ベア2倍ETFの値動きの特徴は、下落しやすい投資商品であるといえます。


3.原油ベア2倍ETFへの投資ができる証券会社は?

ETFなので、どの証券会社でも取り扱いがあると思いきや、残念ながら、日本取引所(東京証券取引所・大阪取引所)では取り扱っていません。

そのため、原油ベア2倍ETFへの投資ができるのは、CFD業者に限られます。
その中でも、GMOクリック証券CFDのみ取扱いがあります。

また、取引時間はサマータイムで22:30~翌5:00と、米国市場取引時間にしか取引できません。
(標準時間では23:30~翌6:00)

詳しくはこちらです→GMOクリック証券CFDの公式サイト


4.原油ベア2倍ETFへのベストな投資法

売り(ショート)での長期保有がベスト

原油ベア2倍ETFの値動きの特徴から、売り(ショート)で長期保有する方法が一番利益を出しやすいと思われます。
ただし、GMOクリック証券CFDで長期保有すると、金利調整額が発生します。

そのため、長期保有損益=レート損益+金利調整額です。
そこで、GMOクリック証券CFDにおける、原油ベア2倍ETFの金利調整額を調べました。

原油ベア2倍ETFの金利調整額

1日につく金利調整額は、上表のように最小取引単位では1円未満です。

GMOクリック証券CFDに問い合わせたところ、1円未満の金利調整額は、切り捨てされるとのことでしたので、最小取引単位でトレードしたら実質0円です。

その点も考慮して、「レート×1」(最小取引単位)を売り(ショート)で保有した際の、原油ベア2倍ETFの投資損益を検証しました。

2015年~2019年 原油ベア2倍ETFの長期保有(売り)損益
レート損益 金利調整額 合計損益
2015年 -10.70ドル 0円 -10.70ドル
2016年 +32.34ドル 0円 +32.34ドル
2017年 +5.69ドル 0円 +5.69ドル
2018年 -4.95ドル 0円 -4.95ドル
2019年 +15.95ドル 0円 +15.95ドル

この損益がすごいかどうかは、原油ベア2倍ETFに対する証拠金の額で決まります。
年間平均損益は+7.67ドルです

証拠金はいくらにする?

原油ベア2倍ETFを売り(ショート)で保有するため、どのくらいの損失に耐えられるかは、原油ベア2倍ETFが過去どのくらいの高値を付けたか確認しなければいけません。

データがある2015年~現在で、原油ベア2倍ETFの最高値は、2016年1月の121.83ドルです。

用意する証拠金は、安全性を考慮して過去最高値と同額にした方が良いでしょう。
そこで、指数と同額の証拠金で投資した際のリターンを計算しました。

2015年~2019年 原油ベア2倍ETFの長期保有(売り)年間リターン
証拠金 損益 年間リターン
2015年 121.83ドル -10.70ドル -8.6%
2016年 121.83ドル +32.34ドル +26.5%
2017年 121.83ドル +5.69ドル +4.7%
2018年 121.83ドル -4.95ドル -4.1%
2019年 121.83ドル +15.95ドル +13.1%

過去5年の年間平均リターンは、+6.3%で合計損益は+38.33ドルでした。

ただし、原油ベア2倍ETFは経時的に下がっていくため、最高値よりも多少低い証拠金でも問題ないと思われます。


5.原油ベア2倍ETFへの投資 メリット・デメリット

原油ベア2倍ETFへの投資を検証しましたが、以下のようなメリット・デメリットがあることが分かりました。

デメリット

メリット


原油ベア2倍ETF(売り)長期保有はこんな人におすすめ


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