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更新日:2020年4月21日 著者:VIXパンダ
原油ベア2倍ETFに投資したら利益を出せる?
GMOクリック証券CFDでは、原油関連商品に「原油ベア2倍ETF」というものがあります。
この記事は、私の経験をもとに
「原油ベア2倍ETFに投資したら利益を出せるか知りたい」
方に書いています。
1.原油ベア2倍ETFとは?
原油ベア2倍ETF(米国ティッカーコードSCO)のファンド情報には
「プロシェアーズ・ウルトラショート・DJ-UBS原油ETF(←原油ベア2倍ETFの名称)は、ダウ・ジョーンズ-AIG原油サブインデックスの日次運用実績の2倍(200%)の逆数に連動する日次の投資成果を目指す。」
とあります。
つまり
- 原油価格に逆連動する
- 「ベア」とあるので、投資対象(原油)が下落しているときに利益が出る
- 1日あたり、原油価格の2倍逆に動くことを目標とする
という特徴があります。
ただし、組み入れ銘柄は下のようになっており、単純に原油価格に連動するわけではないようです。
原油ベア2倍ETF 組み入れ上位銘柄
- OTHER ASSETS LESS LIABILITIES: 300.21%
- SOCIETE GENERALE SA/BLOOMBERG WTI CRUDE OIL SUB IN:-6.85%
- ROYAL BANK OF CANADA/BLOOMBERG WTI CRUDE OIL SUBIN:-16.58%
- CITIBANK NA/BLOOMBERG WTI CRUDE OIL SUBINDEX SWAP:-21.69%
- GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL/BLOOMBERG WTI CRUDE OI:-24.67%
ここで「OTHER ASSETS LESS LIABILITIES」が気になったので調べてみましたが、流動資産と流動負債の差額と訳されていました。
2.原油ベア2倍ETFの値動きから見た特徴
原油ベア2倍ETFのチャートは下のようになります。
2016年1月に原油ベア2倍ETFは一時的に100ドルを超えましたが、それ以降は緩やかに下がっています。
チャートではわかりづらいので、数値でも紹介します。
1年間の推移 | 増減割合 | |
2015年 | 39.73→50.43 | +26.9% |
2016年 | 63.95→31.61 | -50.6% |
2017年 | 30.18→24.49 | -18.9% |
2018年 | 24.28→29.23 | +20.4% |
2019年 | 30.85→14.90 | -51.7% |
平均すると、-14.8%です。
原油価格と逆連動しますので、原油価格との相関についても調べました。
原油ベア2倍ETFの推移 (増減割合) |
原油価格の推移 (増減割合) |
|
2015年 | 39.73→50.43 (+26.9%) |
53.75→37.10 (-31.0%) |
2016年 | 63.95→31.61 (-50.6%) |
37.58→53.87 (+43.3%) |
2017年 | 30.18→24.49 (-18.9%) |
54.09→60.01 (+11.1%) |
2018年 | 24.28→29.23 (+20.4%) |
60.19→45.81 (-23.9%) |
2019年 | 30.85→14.90 (-51.7%) |
45.78→61.19 (+33.7%) |
原油価格と逆連動するだけあって、原油価格が下がった年は、原油ベア2倍ETFは上昇し、原油価格が上がった年は、原油ベア2倍ETFは下落しています。
ただし、原油ベア2倍ETFの値動きを年間で見ると、原油価格の2倍上がったり下がったりするわけではなさそうです。
原油ベア2倍ETFは原油価格の下落率よりは上がらず、上昇率以上に下がる
原油価格が下落した年は、2015年・2018年です。
それらの年の原油価格下落率は、2015年-31.0%、2018年-23.9%です。
一方、原油ベア2倍ETFは、2015年+26.9%、2018年+20.4%です。
上昇していますが、原油価格の下落率ほどは上がっていません。
また、原油価格が上昇した年は、2016年・2017年・2019年です。
それらの年の原油価格上昇率は、2016年+43.3%、2017年+11.1%、2019年+33.7%です。
一方、原油ベア2倍ETFは、2016年-50.6%、2017年-18.9%、2019年-51.7%です。
原油価格の上昇率以上に下落しています。
これらのことから、原油ベア2倍ETFの値動きの特徴は、下落しやすい投資商品であるといえます。
3.原油ベア2倍ETFへの投資ができる証券会社は?
ETFなので、どの証券会社でも取り扱いがあると思いきや、残念ながら、日本取引所(東京証券取引所・大阪取引所)では取り扱っていません。
そのため、原油ベア2倍ETFへの投資ができるのは、CFD業者に限られます。
その中でも、GMOクリック証券CFDのみ取扱いがあります。
また、取引時間はサマータイムで22:30~翌5:00と、米国市場取引時間にしか取引できません。
(標準時間では23:30~翌6:00)
詳しくはこちらです→GMOクリック証券CFDの公式サイト
4.原油ベア2倍ETFへのベストな投資法
売り(ショート)での長期保有がベスト
原油ベア2倍ETFの値動きの特徴から、売り(ショート)で長期保有する方法が一番利益を出しやすいと思われます。
ただし、GMOクリック証券CFDで長期保有すると、金利調整額が発生します。
そのため、長期保有損益=レート損益+金利調整額です。
そこで、GMOクリック証券CFDにおける、原油ベア2倍ETFの金利調整額を調べました。
1日につく金利調整額は、上表のように最小取引単位では1円未満です。
GMOクリック証券CFDに問い合わせたところ、1円未満の金利調整額は、切り捨てされるとのことでしたので、最小取引単位でトレードしたら実質0円です。
その点も考慮して、「レート×1」(最小取引単位)を売り(ショート)で保有した際の、原油ベア2倍ETFの投資損益を検証しました。
レート損益 | 金利調整額 | 合計損益 | |
2015年 | -10.70ドル | 0円 | -10.70ドル |
2016年 | +32.34ドル | 0円 | +32.34ドル |
2017年 | +5.69ドル | 0円 | +5.69ドル |
2018年 | -4.95ドル | 0円 | -4.95ドル |
2019年 | +15.95ドル | 0円 | +15.95ドル |
この損益がすごいかどうかは、原油ベア2倍ETFに対する証拠金の額で決まります。
年間平均損益は+7.67ドルです
証拠金はいくらにする?
原油ベア2倍ETFを売り(ショート)で保有するため、どのくらいの損失に耐えられるかは、原油ベア2倍ETFが過去どのくらいの高値を付けたか確認しなければいけません。
データがある2015年~現在で、原油ベア2倍ETFの最高値は、2016年1月の121.83ドルです。
用意する証拠金は、安全性を考慮して過去最高値と同額にした方が良いでしょう。
そこで、指数と同額の証拠金で投資した際のリターンを計算しました。
証拠金 | 損益 | 年間リターン | |
2015年 | 121.83ドル | -10.70ドル | -8.6% |
2016年 | 121.83ドル | +32.34ドル | +26.5% |
2017年 | 121.83ドル | +5.69ドル | +4.7% |
2018年 | 121.83ドル | -4.95ドル | -4.1% |
2019年 | 121.83ドル | +15.95ドル | +13.1% |
過去5年の年間平均リターンは、+6.3%で合計損益は+38.33ドルでした。
ただし、原油ベア2倍ETFは経時的に下がっていくため、最高値よりも多少低い証拠金でも問題ないと思われます。
5.原油ベア2倍ETFへの投資 メリット・デメリット
原油ベア2倍ETFへの投資を検証しましたが、以下のようなメリット・デメリットがあることが分かりました。
デメリット
- 原油ベア2倍ETFは経時的に小さくなるため、証拠金の算出が難しい
- 取引時間が日本時間で23:30~06:00のため、日中投資できない
メリット
- 平均リターンが+6.3%と高め
- 最大損失は年間10%未満とリスクが低い
原油ベア2倍ETF(売り)長期保有はこんな人におすすめ
- 原油価格は今より上がる、あるいは横ばいだと思う方
- 大きなリスクは避けたい方
- 投資に時間をかけたくない方
- 年間5%~10%のリターンを狙いたい方
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