国際のETF VIX短期先物指数(銘柄コード1552)の今後の見通しを予想

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著者:VIXパンダ 更新日:2023年1月19日

国際のETF VIX短期先物指数(1552)の今後の見通しを予想

国際のETF VIX短期先物指数(銘柄コード1552)は、毎年値を下げ続けています。
長期保有しておけば、数年後には価格が上昇していくのでしょうか?

そこで、この疑問を解決すべく、国際のETF VIX短期先物指数の見通しを、以下の点から調べました。


国際のETF VIX短期先物指数の過去のチャート

国際のETF VIX短期先物指数は、2010年12月20日からサービスを開始しました。では、サービス開始から2016年11月までの、国際のETF VIX短期先物指数の過去の値動きをチャートで見てみましょう。

国際のETF VIX短期先物指数 チャート

上のチャートからは、時間の経過とともに国際のETF VIX短期先物指数が小さくなっていることがわかります。

2010年12月20日に15100でスタートした指数は、2011年11月に一旦上昇したものの、13年後の2023年1月には7.38と、2000分の1以下まで下がっています。
※2017年9月12日に200株を1株に統合したため、実際の数値では200倍の1477

国際のETF VIX短期先物指数が企業の株価であれば、出来高も多いですし、これだけ下がれば今後は上昇するかもしれません。

※国際のETF VIX短期先物指数の2023年12月20日売買代金は、8億4700万円で第12位(全ETF・ETN259銘柄中)です

では、国際のETF VIX短期先物指数は、今後本当に上昇が期待できる銘柄なのでしょうか?
そこで、国際のETF VIX短期先物指数は何に連動するのか調べてみました。


国際のETF VIX短期先物指数(1552)は何に連動する?

国際のETF VIX短期先物指数は、株と同じように銘柄コードがつき、証券会社で売買できますが、企業の株価ではありません。

簡単に言うと、VIX指数の先物に連動します。VIX指数は、平常時は低い値で、株価の暴落時は逆に暴騰します。

そのため、2011年11月にアメリカ国債が格付け会社に格下げされた際、株価が暴落し、VIX指数が上がったため、連動する国際のETF VIX短期先物指数も上がりました。

また、上のチャートでは少しわかりにくいのですが、2015年8月に起こった中国初の世界同時株安でも、国際のETF VIX短期先物指数は500→900まで上がりました。

さらに、新型コロナの影響で2020年3月は国際のETF VIX短期先物指数は40.7→135.4(2017年12月31日の統合前の株価に換算)まで上がりました


国際のETF VIX短期先物指数(1552)が下がり続ける理由

国際のETF VIX短期先物指数は、VIX指数の先物に連動するという話でした。
VIX指数については、先ほどの説明で暴落時に上がるものと理解できたと思います。

実は、国際のETF VIX短期先物指数は、VIX指数に連動するからでなく、VIX指数の「先物」に連動するために、下がり続けるのです。

先物とは、将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引です。そして、売買できるのは、「将来」が来るまでです。

例えば、2月1日(今日)、3月1日(将来)のVIX指数を売買するという感じです。そして、3月1日のVIX指数を売買できるのは3月1日までです。
(なお、取引できる期限(3月1日)は、先物の世界で限月といいます。)

VIX指数は、株価が暴落すると上がります。逆に、平常時はVIX指数は下がります。
つまり、平常時は3月1日に近づくほど、株価暴落の可能性が低くなりますので、VIX指数が下がります。

そして、3月1日が来ると、次の先物(限月4月1日)に乗り換えます。
これで、限月(取り引き期限)がさらに1か月先延ばしになります。
将来が4月1日になったVIX指数は、将来が3月1日のVIX指数より、1か月多くの期間があるため、株価暴落のリスクも高くなります。

そのため、
 限月4月1日のVIX指数の価格 > 限月3月1日のVIX指数の価格
と、下図のようになります。

国際のETF VIX短期先物指数(1552)イメージ図

上図の場合では、
3月1日:90に下がった限月3月1日のVIX指数を売却し、限月4月1日のVIX指数を100で購入
4月1日:90に下がった限月4月1日のVIX指数を売却し、限月5月1日のVIX指数を100で購入
となります。

つまり、低くなったVIX指数を売り、高くなったVIX指数を買うため、毎月損失が発生します。
これが、国際のETF VIX短期先物指数の価格に反映され、価格が徐々に下がっていきます。

本当はもっと複雑な計算ですが、イメージはそのような感じです。


国際のETF VIX短期先物指数(1552)の今後の見通しは?

将来の株価を予測することは不可能ですが、VIX短期先物指数の今後の見通しは、ある程度予想することができます。

下の表は1年単位で区切った、国際のETF VIX短期先物指数の推移です。

国際のETF VIX短期先物指数(1552) 年間変動率
 国際のETF VIX短期先物指数
 1月1日の価格
 国際のETF VIX短期先物指数
 12月31日の価格
 1年間の変動率
2011年 12810 10800 -15.7%
2012年 10450 2855 -72.7%
2013年 2458 1111 -54.8%
2014年 1126 860 -23.6%
2015年 955 586 -38.6%
2016年 599 182 -69.6%
2017年 175 9910
(統合前株価49.55)
-71.2%
2018年 9510
(統合前株価47.55)
17140
(統合前株価85.7)
+80.2%
2019年 16370
(統合前株価81.85)
5280
(統合前株価26.4)
-67.7%
2020年 5370
(統合前株価26.85)
5740
(統合前株価28.70)
+6.9%
2021年 5570
(統合前株価27.85)
1742
(統合前株価8.71)
-68.7%
2022年 2380
(統合前株価8.39)
1499
(統合前株価7.50)
-37.2%

※2017年9月12日に200株を1株に統合しました。そのため、2017年12月31日の統合前の株価は49.55です。

2011年はアメリカ国債の格下げがあったため、下がりが鈍いのですが、2011年があまり下がらなかった分、2012年は下落率70%超えで、大きく下落しています。

また、2018年・2020年は国際のETF VIX短期先物指数が上昇しています。
2018は米中貿易摩擦が激化したため、2020年はコロナショックによるものです。

いずれにしても、国際のETF VIX短期先物指数はほとんどの年で下落しています。
また、2011年~2022年の年間平均変動率は、-36.1%です。

ただし、国際のETF VIX短期先物指数 受益証券(1552)は2024年2月12日(月)に上場廃止になりました。


銘柄名:国際のETF VIX短期先物指数 受益証券(1552:ETF)
整理銘柄指定期間:2024年1月11日(木)から2024年2月11日(日)
最終取引日:2024年2月9日(金)
理由:投資信託契約の期間の定めが設けられる投資信託約款の変更に該当するため


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