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更新日:2019年12月11日 著者:VIXパンダ
米国VIブルETFに投資したら利益を出せる?
GMOクリック証券CFDでは、VIX指数関連商品に「米国VIブルETF」というものがあります。
この記事は、私の経験をもとに
「米国VIブルETFに投資したら利益を出せるか知りたい」
方に書いています。
1.米国VIブルETFとは?
米国VIブルETF(米国コードUVXY)のファンド情報には
「プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETFは、S&P500VIX短期先物インデックスに対して1.5倍の利回り実績に対応する投資成果を目指しています。」
とあります。
つまり
- VIX指数に連動する
- 「ブル」とあるので、投資対象(VIX指数)が上昇しているときに利益が出る
- VIX指数の1.5倍動くことを目標とする
という特徴があります。
ただし、組み入れ銘柄は下のようになっており、単純にVIX指数に連動するわけではないようです。
米国VIブルETF 組み入れ上位銘柄
- VIX FUT JUN8:68.92 %
- VIX FUT JUL8:60.02 %
- GOLDMAN SACHS & CO/IPATH S&P 500 VIX SHORT TERM FU:17.58%
- S&P 500 VIX SHORT-TERM/DEUTSCHE BANK INDEX SWAP:3.35 %
- OTHER ASSETS LESS LIABILITIES -49.87:%
2.米国VIブルETFの値動きから見た特徴
米国VIブルETFのチャートは下のようになります。
急激に下がっていますね。
あまりに下がりすぎていて、チャートではわかりづらいので、数値でも紹介します。
1年間の推移 | 増減割合 | |
2015年 | 38600→14175 | -63.3% |
2016年 | 16465→873 | -94.7% |
2017年 | 801→50.80 | -93.7% |
2018年 | 50.05→81.79 | +63.3% |
2019年 | 85.94→16.19 | -81.2% |
2018年だけ上昇していますね。VIX指数と連動しますので、VIX指数との相関についても調べました。
米国VIブルETFの推移 (増減割合) |
VIX指数の推移 (増減割合) |
|
2015年 | 38600→14175 (-63.3%) |
17.55→18.21 (+3.8%) |
2016年 | 16465→873 (-94.7%) |
27.01→14.04 (-48.0%) |
2017年 | 801→50.80 (-93.7%) |
11.32→11.04 (-2.5%) |
2018年 | 50.05→81.79 (+63.3%) |
9.22→21.38 (+131.9%) |
2019年 | 85.94→16.19 (-81.2%) |
18.19→15.68 (-13.8%) |
やはり、2018年はVIX指数が倍以上に上がっていました。そのため、米国VIブルETFも上がっています。
一方、VIX指数が大して変わらない年は、米国VIブルETFは大きく下がっています。
つまり、時間が経過するだけで大きく下がっていることがわかります。
3.米国VIブルETFへの投資ができる証券会社は?
ETFなので、どの証券会社でも取り扱いがあると思いきや、残念ながら、日本取引所(東京証券取引所・大阪取引所)では取り扱っていません。
そのため、米国VIブルETFへの投資ができるのは、CFD業者に限られます。
その中でも、GMOクリック証券CFDのみ取扱いがあります。
また、取引時間は23:30~翌6:00と、米国市場取引時間にしか取引できません。
詳しくはこちらです→GMOクリック証券CFDの公式サイト
4.米国VIブルETFへのベストな投資法
売り(ショート)での長期保有がベスト
値動きから、売り(ショート)で長期保有する方法が一番利益を出しやすいと思われます。
ただし、GMOクリック証券CFDで長期保有すると、金利調整額が発生します。
そのため、長期保有損益=レート損益+金利調整額です。
ただし、1日につく金利調整額は、下のように最小取引単位では1円未満です。
GMOクリック証券CFDに問い合わせたところ、1円未満の金利調整額は、切り捨てされるとのことでしたので、最小取引単位では実質0円です。
その点も考慮して、「レート×1」(最小取引単位)を保有した際の、米国VIブルETFの長期投資(売り)損益を検証しました。
レート損益 | 金利調整額 | 合計損益 | |
2015年 | +24425ドル | 0円 | +24425ドル |
2016年 | +15592ドル | 0円 | +15592ドル |
2017年 | +750.2ドル | 0円 | +750.2ドル |
2018年 | -31.74ドル | 0円 | -31.74ドル |
2019年 | +69.75ドル | 0円 | +69.75ドル |
この損益がすごいかどうかは、米国VIブルETFに対する証拠金の額で決まります。
証拠金はいくらにする?
米国VIブルETFを売り(ショート)で保有するため、どのくらいの損失に耐えられるかは、米国VIブルETFが過去どのくらい上昇したか確認しなければいけません。
データがある2015年以降で、米国VIブルETFが大きく上昇した時期は3回ありました。
レート推移 | 上昇割合 | |
2015年8月 | 12910→39210 | 2.03倍 |
2018年1月~2月 | 43.35→116.7 | 1.69倍 |
2018年9月~12月 | 36.80→86.64 | 1.35倍 |
一番高い上昇割合で、約2倍です。
データが2015年~2019年と限られていることから、余裕をもって3倍の証拠金で投資した際のリターンを計算しました。
証拠金 (購入時レートの3倍) |
損益 | リターン | |
2015年 | 115800ドル | +24425ドル | +21.1% |
2016年 | 49395ドル | +15592ドル | +31.6% |
2017年 | 2403ドル | +750.2ドル | +31.2% |
2018年 | 150.15ドル | -31.74ドル | -21.1% |
2019年 | 257.82ドル | +69.75ドル | +27.1% |
過去5年の平均リターンは、18.0%です。
5.米国VIブルETFへの投資 メリット・デメリット
米国VIブルETFへの投資を検証しましたが、以下のようなメリット・デメリットがあることが分かりました。
デメリット
- データが2015年~と新しく、証拠金の設定根拠に不安が残る
- 取引時間が日本時間で23:30~06:00のため、日中投資できない
メリット
- 平均リターンが18.0%と非常に高い
- 金利調整額がほぼつかない
米国VIブルETFはこんな人におすすめ
この投資法は、VIX指数(米国VI)をショートで長期保有する投資法と似ています。
→VIX指数(売り)を長期保有して安定収入を得る投資法
米国VIブルETFの投資検証では、証拠金の設定根拠が2015年~のデータで、2008年のリーマンショックは考慮できていません。
VIX指数(米国VI)への投資と比較して、どちらがより高いリターンを得られるのかは、悩むところです。
そのため、VIX指数(米国VI)以外にも、様々な投資にチャレンジしてみたい方におすすめです。
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