VIX指数・原油でのコンタンゴ・バックワーデーションとは?

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著者:VIXパンダ 更新日:2024年11月14日

VIX指数・原油でのコンタンゴ・バックワーデーションとは?

この記事のもくじ
  1. コンタンゴ・バックワーデーションとは?
  2. VIX指数でのコンタンゴ・バックワーデーション
  3. 原油でのコンタンゴ・バックワーデーション

1.コンタンゴ・バックワーデーションとは?

VIX指数や原油の取引について調べる際、たまに出てくる言葉「コンタンゴ」。
はじめて聞く方にとっては、何のことかわかりませんよね?

コンタンゴとは、一言でいうと
「保有商品を安く売って、売った価格より高く買いなおす取引」
です。

普通の取引では、こんなバカなことはしません。
コンタンゴは、取り引き期限が決まっている「先物取引」でのみ発生する現象です。

先物取引:取り引き期限のある商品を、現時点で取り決めた価格で取り引きすること

先物取引では、取り引き期限が決まっていて、投資対象が同じでも、取り引き期限が違うと、価格も違います。

例)
(A)取り引き期限3月17日のVIX指数先物 12.08ドル
(B)取り引き期限4月17日のVIX指数先物 13.53ドル

上の例でいうと、取り引き期限が近い(A)のVIX指数を売却し、取り引き期限が先の(B)のVIX指数を買いなおすと、
「(A)の価格 <(B)の価格」
のため、コンタンゴで取引したことになります。

ちなみに先物取引では、取り引き期限が近い投資商品から、取り引き期限が先の同一投資商品に乗り換えることをロールオーバーと言います。

なお、コンタンゴとは逆に、
「(A)の価格 >(B)の価格」
の場合での取引は、バックワーデーションという取引になります。

つまり、
乗り換える(ロールオーバーする)ことで損失発生→コンタンゴ
乗り換える(ロールオーバーする)ことで利益発生→バックワーデーション
となります。


2.VIX指数でのコンタンゴとは?

VIX指数に投資する場合、下の3つが主な投資対象になります。

投資対象はいずれもVIX指数「先物」で、コンタンゴかバックワーデーションが発生します。
VIX指数では、
・市場が堅調 or 波乱が起きて一定期間経過 → コンタンゴ
・波乱が起きている最中 → バックワーデーション
になります。

例)GMOクリック証券CFDで、VIX ボラティリティ指数3ヶ月(VXV)を取引する場合
この例では、毎月ロールオーバー(GMOクリック証券CFDでは価格調整額という名称)が発生します。
表中の赤字:コンタンゴ
表中の青字:バックワーテーション
とします。
※GMOクリック証券CFDは、2016年8月からVIX指数の取り扱いを開始し、ロールオーバーによる価格調整は2016年9月から発生しています

2024年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-1383円 -1807円 -1847円 -1238円 -1363円 -1899円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-1941円 -29円 -1905円 +2359円 -1413円 12月11日発表

2023年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-1389円 -1392円 -120円 -1398円 -2537円 -2570円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-1977円 -1767円 -2418円 -1208円 -1313円 -2914円

2022年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-2579円 -1581円 +1456円 -2022円 +155円 -1958円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-1222円  -2923円 -1789円 +440円 -102円 -3453円

2021年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-2284円 -3534円 -3206円 -3082円 -295円 -2202円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-2794円 -2407円 -2248円 -2097円 -1560円 -3111円

2020年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-2494円 -935円 +8150円 +4417円 +149円 -1660円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-2203円 -3878円 -5098円 -1145円 -843円 -1781円

2019年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-151円 -472円 -1335円 -1542円 -492円 -781円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-1691円 +1016円 -1756円 -774円 -2023円 -1975円

2018年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-1114円 +3860円 +106円 +652円 -844円 -1049円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-784円 -387円 -1089円 +1845円 +863円 +747円

2017年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
 1月  2月  3月  4月  5月  6月
 -1961円  -1555円  -1281円 +1481円 -1097円 -865円
 7月  8月  9月  10月  11月  12月
-996円 -1493円 -1549円 -1596円 -1616円 -1620円

2016年VIX指数買い ロールオーバー(価格調整額)表
 7月  8月  9月  10月  11月  12月
- -  -542円  -969円  -866円  -2246円

この表からわかるように、ほとんどの月でマイナス、つまりコンタンゴの取引となっています。
つまり、市場の混乱はたまにしかなく、あったとしてもすぐに冷めるため、ロールオーバー中のバックワーデーションは、ほとんど発生しません。

逆に、VIX指数の売りポジションを保有すると、価格調整額はプラスになります。
つまり、売りポジションを保有し続けると価格調整額をもらい続けることができます。

この、VIX指数のコンタンゴを利用した投資法について、詳しく検証しています。
VIX指数売りを長期保有


3.原油でのコンタンゴとは?

原油先物取引は、以下のCFD業者で取引可能です。

このうちGMOクリック証券CFDは、毎月ロールオーバーが発生していますので、2014年以降のロールオーバー(価格調整額)を見てみましょう。

ここでも、
表中の赤字:コンタンゴ
表中の青字:バックワーテーション
とします。

2024年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-189円 +557円 +605円 +848円 +641円 +486円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
+1673円 +2335円 +1333円 +895円 +250円 12月12日発表

2023年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
 -319円  -266円  -214円 +146円 +40円 -210円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
 +234円 +728円 +943円 +1988円 +91円 -363円

2022年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
 +570円  +2161円  +1798円  +628円 +2431円 +3639円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
+3419円 +693円 +635円 +1810円 +909円 -40円

2021年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-41円 +63円 -43円 -98円 -10円 +319円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
+652円 +241円 +252円 +714円 +1309円 +192円

2020年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 4月(2回目) 6月
-33円 -285円 -420円 -6579円 -7587円 -321円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-268円 -288円 -268円 -295円 -271円 -176円

2019年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-305円 -419円 -334円 -112円 -208円 -249円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-140円  +84円 +194円 -97円 -97円 +87円

2018年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
 +66円  +159円 -63円  0円  -110円 +210円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
+1060円 +698円 +257円  +44円 -238円 -306円

2017年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
1月 2月 3月 4月 5月 6月
-912円 -441円 -566円 -500円 -377円 -254円
7月 8月 9月 10月 11月 12月
-225円 -164円 -609円 -269円 -225円 -56円

2016年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
 1月  2月  3月  4月  5月  6月
 -1129円  -2578円  -1691円  -1445円  -719円  -573円
 7月  8月  9月  10月  11月  12月
 -708円  -691円  -623円  -415円  -556円  -1264円

2015年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
 1月  2月  3月  4月  5月  6月
 -503円  -929円  -2233円  -1675円  -1180円  -505円
 7月  8月  9月  10月  11月  12月
 -384円  -659円  -348円  -605円  -1295円  -1503円

2014年原油先物 ロールオーバー(価格調整額)表
 1月  2月  3月  4月  5月  6月
 -229円  +450円  +933円  +891円  +477円  +357円
 7月  8月  9月  10月  11月  12月
 +1246円  +2748円  +1174円  +736円  -46円  -391円

原油先物では、
・原油の保管コストが原油の需要の伸びを上回る→コンタンゴ
・原油の保管コストが原油の需要の伸びを下回る→バックワーデーション
となります。

2014年~2023年のロールオーバーでは、コンタンゴ75回、バックワーデーション45回でした。
原油は保管コストが高く、コンタンゴになる確率は62.5%です。

特に2015年~2017年・2020年はコンタンゴのみで、バックワーテーションは発生していません。


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